企画展示
第12回企画展
松本文仁個展
「モノ・物語り」
MATSUMOTO Fumihito Exhibition
会期:
2026年10月3日土曜日
〜
2026年12月20日日曜日
協力:
作家の手の中で、小さな木片に命が宿り物語が生まれます。その眼には、古びた木片や曲がった釘が、私たちとは違うものとして映っているのでしょう。近作は、2026年春に閉校した小学校の子どもたちに着想を得た《春》。閉校まであと数か月となった1月末、全校児童の16名を対象とする活動の講師として招かれた松本は、校内の廃棄される机や教材などを材料として準備し、「思い出のオブジェ」を制作する子どもたちに寄り添いました。本作はその延長線上にあります。時が止まる学校と、時を刻み続ける子どもたちの物語を学校の廃材を用いて表現しています。
松本文仁(まつもと・ふみひと)は1959年に境港市に生まれました。初めての油彩画は中学3年の頃。15歳の自画像には静かな気迫と早熟な少年の美意識が感じられる。気に入った画家の画風を真似して、憑かれたように描いていたと語る制作の初期から、松本の作品には「命」と「物語」がテーマとなっています。20代後半には「抗えない運命と死」の象徴として黒い犬が繰り返し描かれました。30代半ば頃には、自身にまつわるテーマから離れて表現様式や技法の試行期に入りますが、それが円熟期を迎える頃、テーマは命の物語へと戻っていきます。母や身近な人の死に際して、描くことの意味を改めて問われた松本は、抗えない運命への怒りではなく、亡くなった人の物語を描くようになっていきました。そしてそれは自身の命との対峙を経て、子どもたちに受け継がれる生の物語へと繋がっていきます。
本展覧会では、青年期に様々な作家に触発されて描いた「記念写真シリーズ」、15歳から33歳までに描かれた14枚の「自画像シリーズ」、抗えない運命と死を描いた「感傷旅行シリーズ」などの旧作から、素朴な愛らしさの中に洗練された造形感覚が垣間見える立体の新作まで、半世紀に渡る制作を通して松本が受け止め、表現に転換してきた、命とその「物語り」の軌跡をたどるとともに、滅びゆくものと生まれ来るものの時空と流転をインスタレーションとして構成します。 (鳥取県立美術館 佐藤真菜)
※作家在廊日は作家SNSで随時お知らせします。
Instagram:https://www.instagram.com/fumihitomatsumoto
松本文仁 MATSUMOTO Fumihito
1993 鳥取県美術展 県展賞
1994 鳥取県美術展 県展賞
1997 鳥取県美術展 県展賞
1999 個展《航跡》(米子市美術館)
「現代作家の眼」クロスオーバー10展(岡山県総合文化センター)
2000 鳥取県美術展 準大賞
2001 しんわ美術展 奨励賞
2002 鳥取四季展 大賞
2004 鳥取四季展大賞
2005 行動展第60回記念賞
鳥取県美術展 大賞
2006 個展《開かれた白地図》(米子市美術館)
2012 鳥取県美術展 県展賞(彫刻部門)
2014 鳥取県美術展 県展賞(彫刻部門)
2014 流体-松本文仁・森田しのぶ展(鳥取県立博物館)
2016 絵描きの町大王大賞展 銅賞
2019 青木繁記念大賞ビエンナーレ 入選
2021 熊谷守一大賞展 入選
2024 しんわ美術展 銀賞
2025 きのうとあすの対話V(神戸 原田の森ギャラリー)
※作家在廊日は作家SNSで随時お知らせします。
Instagram:https://www.instagram.com/fumihitomatsumoto
境港市で制作活動を行う美術家の松本文仁は、「命の循環」を主題とし自身および周辺で起きたことから発想し、銅板・杉板等の異素材を組み合わせた平面やオブジェの制作を継続しています。近年はその死生観から発想したオブジェにも力を注いでいます。その作品は県内外のコンクール、「行動展」といった公募展等で受賞するなど高い評価を得ています。今回の展示では、小学校の廃校に遭遇した経験による近作から、絵の制作を開始した中学校時代の作品まで、50年間にわたる松本独自の「物語り」を、「モノ」派を代表する原口典之作品を巻き込んだインスタレーションとして構成します。オブジェ・平面といった松本の多彩な表現をぜひご覧ください。
【オープニングイベント】
佐藤真菜氏(鳥取県立美術館) によるファシリテーション (対話型鑑賞)
10月3日(土)14:00~
※予約は必要ありませんが入館料が必要です。
佐藤真菜氏(鳥取県立美術館) によるファシリテーション (対話型鑑賞)
10月3日(土)14:00~
※予約不要ですが、入館料が必要です。





