企画展示
第三回企画展 藤原勇輝展覧会
「PYRAMID & MASS GAME」
FUJIWARA YUKI
会期:
2024年9月8日日曜日
〜
2024年10月6日日曜日
協力:
アート格納庫Mでは、第三回企画展として藤原勇輝による展覧会「PYRAMID & MASS GAME」を開催します。鳥取出身で県外、海外で学んだのちに帰鳥した藤原は朝鮮半島と日本との地政学的関係を考察する立体作品を数多く発表してきました。本展で展示される作品は、在日コリアンとの関係が深いパチンコ産業から着想を得たシリーズのひとつであり、パチンコ玉やパチンコ釘といった素材が用いられています。一見、機械的に反復されたように見える作品は、よく見ると作家によってひとつひとつ素材が置かれる過程で微妙な誤差を生んでおり、部分と全体、あるいは国民と国家との関係や社会構造を暗示しつつ、それらの変化への予兆も含みます。鳥取から対岸を丁寧に見つめ続けてきた作家によるインスタレーション作品です。
藤原勇輝 FUJIWARA YUKI
藤原勇輝(Fujiwara Yuki 1976-)
広島市立大学大学院芸術学研究科彫刻専攻修了(2004)。広島で彫刻を学び、ドイツ(ハノーファー)やスペイン(バルセロナ)での留学、レジデンス経験を積んで帰鳥。日本海に面した極東アジアの特異な事象について考察し、国家や戦争、民族をテーマに立体やインスタレーション作品を発表している。韓国・済州島(済州4・3)と日本との関係性をテーマにアートプロジェクト「4・3 Art Project -逆走して歴史と出会う-」を2025年より実施予定。現在、鳥取市在住 https://www.yukifujiwara.jp
主な個展に「PACHINKO TRILOGY “777”」(PORT ART & DESIGN TSUYAMA/岡山/2022)、「PYRAMID」(奈義町現代美術館/岡山/2019)。主なグループ展に「Island」(seogwipo arts center/韓国、済州島/2016)。主なレジデンスにJeju international art center(30 August~30 November2016) Jeju Island/KOREA
「ピラミッドとマスゲーム」
この展覧会は、パチンコ玉とパチンコ釘(真鍮釘)を使用した2種類の抽象的かつ幾何学的な造形作品で構成される。大量のパチンコ玉を積み上げた三角錐のピラミッド型作品と、大量のパチンコ釘(真鍮釘)を規則正しく木板に打ち込みマスゲームの様相を表したレリーフ型作品である。素材は日本特有の娯楽である「パチンコ」と密接な関係にあるものである。パチンコに対してただの娯楽と捉える向きもあるが、その背景には貨幣、民族、国家などなど様々なイメージが内包している。そのイメージを咀嚼し、資本主義社会と社会主義社会をコンセプトとし、造形と社会システムの共通性、原理原則を探る作品群を構築した。例えば、私の身近に現存する資本主義社会は、ピラミッド型社会構造である。下で多くのものが構造を支え、頂上に向かって細くなっていく。内側に向けて力が働く構造原理を実際の作品制作を通じて体感し、なぜピラミッドは強度があるのか自問自答を繰り返している。また、もう一方は私にとってベールに包まれた隣国の社会システムをイメージして制作された作品。パチンコ釘を一本一本手作業で板に打ち込むと、微妙に角度や高低差がでてくる。その釘たちを少し離れて見渡すと、それら一本一本の相違はあまり気にならなくなり全体構造が強度を持って現れる。その姿は大人数の人々が規則正しく並び動くマスゲームのイメージと重ね合わせている。かつて資本主義、社会主義に対してヨーゼフ・ボイスが指し示した第三の道やマルチプルの意識、思考回路を念頭に置いて、追思考できればと思う。(藤原勇輝)
アート格納庫Mでは、第三回企画展として藤原勇輝による展覧会「PYRAMID & MASS GAME」を開催します。鳥取出身で県外、海外で学んだのちに帰鳥した藤原は朝鮮半島と日本との地政学的関係を考察する立体作品を数多く発表してきました。本展で展示される作品は、在日コリアンとの関係が深いパチンコ産業から着想を得たシリーズのひとつであり、パチンコ玉やパチンコ釘といった素材が用いられています。鳥取から対岸を丁寧に見つめ続けてきた作家によるインスタレーション作品です。
アーティストトーク
作家による作品解説
9月8日 ( 日 ) 16:00—17:00
※予約不要、この時間は入館料は無料です。
作品購入も可能ですのでお気軽にお問合せ下さい。
クロストーク
藤原勇輝 × 尾﨑信一郎 ( 鳥取県立美術館館長 )
9 月 15 日 ( 日 ) 16:00—17:30
※予約不要ですが入館料は必要です。